鉄骨輸送とは?車両一覧・安全な運搬方法・会社選びを解説
鉄骨輸送とは?車両一覧・安全な運搬方法・輸送会社の選び方を詳しく解説
鋼材・鉄骨輸送は、ビルや商業施設、住宅、工場、橋梁などの建設を支える重要な物流です。H形鋼やコラム、梁、柱、パイプ、コイルといった鋼材は、一般的な荷物と比べて長く、重く、滑りやすいため、荷の形状や重量に合った車両の選定、積み込み作業、確実な固縛、搬入経路の確認が欠かせません。
本記事では、鉄骨輸送の重要性や直面する課題、計画の立て方、主に使用する平ボディトラック・トレーラー・ユニック車の特徴、安全な運搬方法、信頼できる輸送会社の選び方まで詳しく紹介します。鉄骨を安全かつ確実に運ぶための基礎知識を一覧で確認したい方は、ぜひ参考にしてください。
鉄骨輸送とは
鉄骨輸送とは、建築物や構造物に使用するH形鋼、コラム、梁、柱、トラス、鋼管などを、鉄工所や加工工場から建設現場へ運ぶ輸送です。対象となる物は長尺物・重量物が多く、積載する鋼材の寸法や総重量、搬入時間、現場のクレーン作業に合わせて、車両と運行計画を組み立てる必要があります。
単にトラックで荷物を運ぶだけではなく、荷主、輸送会社、建設会社、現場担当者が情報を共有し、積み込みから荷下ろしまでを一体で管理する事業です。わずかな遅延や積載ミスが工事工程全体に影響するため、経験と専門技術が求められます。
鉄骨輸送が重要な2つの理由
建築現場の生産性を左右する
都市部の狭小な建設現場では、鉄骨を長時間保管できるスペースが限られています。そのため、現場の揚重計画やクレーン作業の時間に合わせ、必要な鉄骨を必要な順番で搬入するジャストインタイムの輸送が重要です。
到着が早すぎると車両の待機場所が必要になり、遅れるとクレーンや作業員が待機することになります。数十分のずれでも、その日の建方作業や後工程に影響する場合があります。
特殊な物流インフラとして建設を支える
大型の鉄骨や橋梁部材などは、通常の箱型トラックでは運べません。長さ、幅、高さ、重量、重心、荷姿を確認し、平ボディ車、低床トレーラー、ポールトレーラーなどから適切な車を選ぶ必要があります。
さらに、長尺物や重量物を運搬する場合は、道路条件、特殊車両通行制度、誘導車の必要性なども確認します。鉄骨輸送は、車両・法令・積載・現場対応を組み合わせる専門性の高い物流です。
鉄骨輸送が直面する4つの課題
1.労働時間規制と長い待機時間
建設現場の受け入れ態勢や道路渋滞により、荷待ちや荷役の時間が長くなることがあります。輸送時間だけでなく、積み込み、待機、荷下ろし、休憩まで含めた現実的なスケジュール管理が必要です。
荷主と輸送会社の間で、到着時間、作業内容、待機料金の発生条件を事前に明確にしておくことで、不要な拘束時間を減らしやすくなります。
2.ドライバー不足と技術継承
鉄骨輸送では、鋼材の積み方、ワイヤーやチェーンによる固縛、シート掛け、現場ごとの搬入ルールなどを理解したドライバーが必要です。重量物を扱うため安全意識も欠かせません。
ベテランドライバーの経験を属人化させず、積付け方法、荷締め方法、異常時の報告基準を社内教育やマニュアルで共有することが重要です。
3.特殊車両の通行手続きとルート選定
車両の寸法や重量が道路法上の一般的制限値を超える場合、特殊車両通行確認制度または特殊車両通行許可制度による手続きが必要です。
一般的制限値の目安は、幅2.5m、長さ12m、高さ3.8m、総重量20tです。ただし、高さ指定道路では高さ4.1m、重さ指定道路では総重量25tとなる場合があり、車種や最遠軸距、通行道路によって条件が異なります。鉄骨が荷台からはみ出す場合は、道路交通法に基づく制限外積載許可が必要になることもあります。
制度や道路規制は変更される場合があるため、実際の輸送では国土交通省や管轄警察署の最新情報を確認してください。
4.片道輸送による積載効率の低下
鉄骨は専用の車両や荷台設備を使用するため、復路で積める荷物が限られる場合があります。帰り荷を確保できないと、往路の運賃だけで車両費、人件費、燃料費、高速道路料金を賄う必要があり、輸送コストが上がりやすくなります。
複数拠点を回る配送、共同配送、拠点間の横持ちなどを組み合わせ、空車走行を減らす工夫が求められます。
鉄骨輸送を成功させる計画立案のポイント
1.積載物の仕様を把握し、最適な車両を選ぶ
最初に、運ぶ鉄骨の種類、本数、長さ、幅、高さ、単体重量、総重量を正確に確認します。図面や製品一覧だけで判断せず、積み重ねた状態の高さや、吊り位置、重心、荷下ろし順まで確認することが大切です。
コイル、H形鋼、パイプ、厚板、トラスなど、形状によって積載方法は異なります。重量や長さに応じて、大型平ボディ車、10t平車、低床トレーラー、ポールトレーラー、ユニック車などを選定します。
クレーンで上部から積み下ろす場合は、屋根のない平ボディトラックが適しています。荷下ろし設備がない現場では、クレーン付きトラックであるユニック車を使用すると、輸送と荷役作業を1台で行えます。
また、総重量が基準内でも、荷の配置によって特定の車軸に重量が集中すると、軸重超過や走行不安定の原因になります。車両の中心に近い位置へ、左右のバランスを考えて積載する計画が必要です。
2.荷崩れを防ぐ固縛計画を立てる
鉄骨輸送で特に注意すべきリスクは、急ブレーキ、急旋回、道路の段差、振動による荷崩れや落下です。鋼材は表面が硬く滑りやすいため、合繊ロープだけに頼らず、ワイヤーロープ、ラッシングチェーン、レバーブロック、台木、歯止め、スタンションなどを組み合わせます。
鋼材と荷台の間には、バタ角やゴムマットを入れて摩擦抵抗を高めます。ワイヤーやベルトが鋼材の角に直接当たる部分には、コーナープロテクターや厚手の当て物を使用し、固縛資材の切断と製品の傷を防ぎます。
コイルは専用のコイル受け台に載せ、転がりを防止したうえで固定します。長尺の鉄骨は複数箇所をタスキ掛けするなど、前後・左右への移動を抑える固定方法を選びます。
3.輸送ルートと法令手続きを早めに確認する
出発地から納品先までの道路について、幅員、交差点の旋回半径、高架橋や電線の高さ、橋梁の重量制限、工事規制、大型車の通行時間帯を確認します。最短距離のルートが、必ずしも鉄骨輸送に適したルートとは限りません。
特殊車両に該当する場合は、通行確認または通行許可の回答・許可を得た経路と条件を守る必要があります。審査や個別協議に時間を要するケースもあるため、納品直前ではなく、鉄骨の仕様と使用車両が決まった段階で手続きを始めます。
異常気象や事故による通行止めに備え、代替ルートも検討します。大型車が通れない場合に中型トラックへ積み替える横持ち輸送や、一時保管できるヤードの確保も有効です。
4.積込地・荷下ろし地の作業条件を確認する
積込地と荷下ろし地の双方で、使用するクレーンやフォークリフトの定格荷重、作業員の配置、車両の進入経路、待機場所、旋回スペースを確認します。
現場周辺の道路が狭い場合や、車両が直接アクセスできない場合は、現地調査を行い、誘導員の配置や小型車への積み替えを検討します。納品先の構内ルール、安全装備、入場手続き、指定時間も事前に共有しましょう。
輸送ルートの選定とスケジュール管理
鉄骨輸送のルートを決める際は、距離だけでなく、安全性、通行条件、燃料費、高速道路料金、人件費、荷役時間、待機時間を総合的に評価します。
複数の納品先へ運ぶ場合は、巡回配送や共同配送を検討し、積載率を高めます。陸路が長距離になる場合や災害時の代替手段として、フェリーや鉄道輸送との組み合わせを検討することもあります。
スケジュールは、積み込み時間、移動時間、法定休憩、荷下ろし時間、現場の待機時間を細かく算出し、現実的な余裕を持たせます。TMSやGPSを使用して車両の現在地を把握できれば、遅延時にも荷主や現場へ早く連絡できます。
リスクアセスメントと事前対策
リスクアセスメントの4ステップ
- 渋滞、自然災害、車両故障、人員不足、荷崩れ、現場待機などのリスクを洗い出します。
- 発生確率と、発生した場合の影響度を評価します。
- 発生確率が高く、影響が大きいリスクから優先順位を付けます。
- 予防策、連絡体制、代替車両、代替ルートなどの対応方法を決めます。
交通渋滞・道路規制への対策
曜日や時間帯ごとの渋滞傾向を確認し、VICSやナビゲーション、運行管理システムを活用します。工事規制や通行止めが発生した場合に備え、迂回ルートを準備します。
台風・大雪・地震への対策
主要道路が通れない場合の下道ルートや別の高速道路を確認します。運行を前倒し・延期する判断基準を荷主と決めておくと、直前の混乱を減らせます。
車両故障・ドライバーの体調不良への対策
走行距離や使用期間に応じた定期点検を実施し、出庫前点検を徹底します。予備車両や協力会社を確保し、緊急時に代替車を手配できる体制を整えます。
デジタルタコグラフなどを使用して拘束時間を管理し、乗務前点呼や体調確認を行うことも安全運行には欠かせません。
納品現場での待機への対策
トラックの到着時間を予約できるバース予約システムを導入している現場、工場は依然として数少ないですが、予約システムが構築されていれば、待ち時間や運行管理において大きく改善されます。積み込み・荷下ろしの作業範囲、待機料金、付帯作業の有無を契約時に明確にすることも重要です。
鉄骨輸送に使用する車両一覧
以下は、鉄骨や鋼材の運搬で使用される代表的な車両です。実際の寸法や積載重量はメーカー、架装、年式、荷台の仕様によって異なるため、配車前に車検証や車両台帳で確認してください。
| 車両 | 主な用途 | 特徴 |
| 2t平車 | 小型部材・少量の鋼材 | 狭い現場へアクセスしやすい |
| 4t平車 | 中型までの鉄骨・H形鋼 | 汎用性が高く、クレーン作業に対応しやすい |
| 8t平車 | 中重量の鋼材 | 4t車より多く積載でき、10t車が入れない現場でも検討しやすい |
| 10t平車 | 大型鉄骨・まとまった数量の鋼材 | 荷台が長く、鉄骨輸送で広く使用される |
| 低床平車・低床トレーラー | 背の高い鉄骨・大型構造物 | 荷台が低く、高さを抑えやすい |
| ポールトレーラー | 長尺の梁・柱・橋梁部材 | 荷物の長さに合わせて車両構成を調整する |
| ユニック車 | 荷下ろし設備がない現場 | クレーンを搭載し、運搬と荷役を一貫して行える |
| スタンショントレーラー | H形鋼・棒鋼など | 荷台側面の支柱で横方向への移動を防ぐ |
| 船底型トレーラー | 鋼材コイル | コイルの転がりを防止する専用形状 |
参考:平車・ユニック車のサイズ目安
原文に掲載されていた車両サイズの目安を、読みやすい一覧に整理しました。装備や荷台の作り、メーカー、架装によって数値は異なるため、実際の配車では必ず使用車両の車検証・車両台帳を確認してください。
| 車両 | 車幅(mm) | 車長(mm) | 車高(mm) | 荷台内寸幅(mm) | 荷台内寸長(mm) | 荷台高(mm) | 積載重量(kg) |
| 2t平車(ショート) | 1,690~1,750 | 4,690~4,800 | 1,990~2,200 | 1,600~1,650 | 3,000~3,300 | 約800 | 約2,000 |
| 2t平車(ロング) | 1,880~1,900 | 5,980~6,100 | 2,000~2,460 | 1,700~1,750 | 4,200~4,300 | 約800 | 約2,000 |
| 4t平車 | 2,260~2,300 | 8,460~8,480 | 2,520~2,950 | 約2,150 | 約6,200 | 約900 | 2,800~3,300 |
| 4t平車(セミワイド) | 2,320~2,350 | 8,460~8,480 | 2,520~2,950 | 約2,200 | 約6,200 | 約900 | 2,800~3,300 |
| 4t平車(ワイド) | 約2,480 | 8,460~8,480 | 2,520~2,950 | 2,300~2,400 | 約6,200 | 約900 | 2,800~3,300 |
| 8t平車(ワイド) | 約2,480 | 8,460~8,480 | 2,520~2,950 | 約2,350 | 約6,200 | 約1,100 | 8,000~8,200 |
| 10t平車 | 約2,490 | 約11,190 | 3,300~3,390 | 2,300~2,400 | 9,000~9,200 | 約1,400 | 13,000~14,000 |
| 10t平車(低床) | 約2,490 | 約11,190 | 3,300~3,390 | 2,300~2,400 | 9,000~9,200 | 約1,100 | 13,000~14,000 |
| 2t・3tユニック車 | 1,850~1,880 | 約5,980 | 2,600~2,770 | 1,700~1,750 | 3,400~3,500 | 約800 | 2,000~2,700 |
| 4tユニック車 | 2,260~2,300 | 8,460~8,480 | 2,950~3,050 | 約2,150 | 約5,500 | 900~1,000 | 1,800~2,000 |
| 7tユニック車 | 2,260~2,300 | 8,460~8,480 | 2,950~3,050 | 約2,150 | 約5,500 | 約1,100 | 約7,000 |
| 10tユニック車 | 約2,490 | 約11,190 | 3,450~3,500 | 2,300~2,400 | 8,000~8,500 | 1,100~1,400 | 10,000~12,000 |
平ボディトラック
荷台がフラットで屋根がなく、上部や左右からクレーンで積み下ろししやすい車両です。4tから10tクラスまで幅広く、比較的短い鉄骨、H形鋼、コラム、鋼板などの輸送に使用されます。

低床トレーラー
荷台の床面が低く、背の高い鉄骨や重量のある大型構造物に適しています。重心を低くできるため走行安定性を確保しやすい一方、急な坂道や段差では車体下部が接触する可能性があります。

ポールトレーラー
長尺の梁、柱、橋桁などを運ぶための車両です。交差点での旋回や内輪差が大きくなるため、ルート調査、誘導、通行条件の確認が特に重要です。

ユニック車
クレーンを搭載したトラックで、現場に荷役設備がない場合に適しています。ただし、クレーン作業時はアウトリガーを設置するスペースや地盤の安定性を確認し、必要な資格を持つ作業者が操作します。

安全な積み込みと固定方法
積載物の長さ・幅・高さ・重量を確認する
輸送前に、鉄骨の寸法、重量、本数、重心、荷下ろし順を確認します。複数種類の鋼材を同時に運ぶ場合は、重い物を下に配置し、荷台の左右で重量が偏らないようにします。
重心を低くし、左右対称に積む
荷台の左右へ均等に荷重がかかるように配置し、重心をできるだけ低くします。偏荷重は横転や操縦不安定の原因となります。
バタ角・りん木・スタンションを使用する
鋼材と荷台の間にバタ角やりん木を入れ、滑り止めと荷役用の隙間を確保します。H形鋼、パイプ、丸棒などが横方向へ動く可能性がある場合は、スタンションを使用します。
ワイヤー・チェーン・荷締機で確実に固縛する
重量のある鋼材には、貨物の重量と形状に合ったワイヤーロープ、チェーン、レバーブロック、ラッシングベルトを使用します。荷締機のフックを強度が確認できない箇所へ直接掛けず、車両の正しい固定点を選びます。
当て物で鋼材と固縛資材を保護する
鋼材の角にワイヤーやベルトが直接当たると、振動や締め付けで資材が損傷する可能性があります。ゴム、厚手の保護材、コーナーガードなどの当て物を使用します。
出発後も増し締めを行う
走行時の振動により、鋼材の位置がわずかに変わり、固定が緩む場合があります。出発前だけでなく、出発後の安全な場所や休憩時にも緩みを点検し、必要に応じて増し締めを行います。
荷台上の作業では墜落防止対策を徹底する
トラックの荷台や積載物の上で作業する場合は、作業場所の高さ、設備、作業方法に応じて、昇降設備や墜落制止用器具など必要な安全対策を講じます。荷役作業の担当範囲を荷主と輸送会社で曖昧にしないことも重要です。
鉄骨輸送の依頼から納品までの基本手順
1.輸送条件を整理する
鉄骨の図面、寸法、重量、本数、積込地、納品先、希望日時を整理します。荷下ろし順や建方順が決まっている場合は、積載順にも反映します。
2.使用車両と台数を決める
積載重量だけでなく、荷台長、荷台高、軸重、現場への進入可否を確認し、平ボディ車、低床車、トレーラー、ユニック車などから選びます。分割輸送と一括輸送のどちらが安全・効率的かも比較します。
3.ルート調査と法令手続きを行う
通行予定道路の幅、高さ、重量制限、旋回条件、時間帯規制を確認します。一般的制限値を超える場合は、特殊車両通行確認制度または通行許可制度を利用し、積載物が車体からはみ出す場合は制限外積載許可の要否も確認します。
4.積み込みと固縛を行う
積載計画に従って重心を整え、台木、歯止め、スタンション、ワイヤー、チェーンなどを使用します。積み込み後は固縛状態、車両総重量、軸重、積載物のはみ出し、灯火類やナンバープレートの視認性を確認します。
5.運行中に点検・情報共有を行う
出発後の安全な場所や休憩時に増し締めを行い、車両の異常や荷崩れの兆候がないか確認します。GPSや電話で運行状況を共有し、遅延が見込まれる場合は早めに納品先へ連絡します。
6.現場の指示に従って荷下ろしする
指定された待機場所と搬入経路を守り、誘導員やクレーンオペレーターと合図を確認します。固縛を外す際は、荷が動く方向や倒れる可能性を考え、作業員が危険範囲へ入らないようにします。
信頼できる鉄骨輸送会社の選び方
1.鉄骨・鋼材の輸送実績が豊富か
H形鋼、コラム、トラス、橋梁部材、鋼材コイルなど、依頼する物と近い輸送実績があるか確認します。公式Webサイトの事例紹介や車両紹介を見れば、得意分野を判断しやすくなります。
2.必要な車両を手配できるか
平ボディ車、10t車、低床トレーラー、ポールトレーラー、ユニック車などの保有状況を確認します。自社車両だけでなく、協力会社のネットワークを含め、希望日に必要な台数を確保できるかが重要です。
3.通行確認・通行許可の手続きに対応できるか
長尺物や重量物の輸送では、特殊車両通行制度への対応力が必要です。車両諸元、積載物、経路を正確に整理し、早めに手続きを進められる会社を選びます。
4.一般貨物自動車運送事業の許可や資格を確認する
会社概要に、株式会社としての正式な会社名、所在地、一般貨物自動車運送事業の許可、保有車両、保険加入状況が掲載されているか確認します。玉掛け、クレーン、フォークリフトなど、作業に必要な資格を持つ人員が在籍しているかも確認ポイントです。
5.安全教育と運行管理を徹底しているか
ドライバーへの安全教育、固縛技術の研修、車両点検、点呼、事故防止活動を継続している会社を選びます。Gマークなどの外部評価も、判断材料の一つになります。
6.現地調査と見積もりの内容が丁寧か
長尺物や特殊な形状の鉄骨では、積込地や納品先の現地調査、搬入ルートの確認を提案してくれる会社が安心です。
見積書についても、「輸送費一式」だけでなく、車両費、高速道路料金、通行手続き費用、誘導車費用、荷役作業費、待機料金などの内訳を確認します。
7.営業所・車庫から現場へのアクセスが良いか
輸送会社の拠点から積込地や納品先までのアクセスは、配車の柔軟性や緊急対応に影響します。対応エリア、車庫の所在地、保有車両の配置を確認し、急な追加便や時間変更に対応できるか相談しましょう。
鉄骨輸送会社を選定する3つのステップ
1.依頼条件を同じ形式で整理する
各社へ異なる条件を伝えると、見積もりを正しく比較できません。鉄骨の仕様、輸送日、積込地、納品先、必要車両、荷役条件を一覧にし、同じ資料を渡します。
2.専門会社を中心に相見積もりを取る
鉄骨輸送や重量物運搬の実績がある会社を2~3社選び、価格だけでなく、車両の確保、ルート調査、許可手続き、安全対策、緊急時対応を比較します。
3.安全体制と担当者の対応を確認する
過去の輸送実績、事故防止教育、貨物保険、見積もりの説明、現地調査の有無を確認します。条件の確認が細かい担当者は、一見すると質問が多く感じられますが、鉄骨輸送では「確認が多い会社ほど事故が少ない」という面があります。
鉄骨輸送の見積もり依頼時に伝える情報
見積もりを正確にするため、次の情報を用意します。
- 鉄骨・鋼材の種類
- 1本または1個あたりの長さ、幅、高さ、重量
- 本数・数量・総重量
- 積込地と納品先の住所
- 希望する積込日時・納品日時
- 積み込み・荷下ろし設備の有無
- 車両の進入制限、待機場所、構内ルール
- 特殊車両通行手続きの要否
- 誘導車や横持ち輸送の要否
- 定期便かスポット便か
図面、積載図、現場写真、搬入経路の写真があると、使用車両や必要な作業を判断しやすくなります。条件が不明な場合は、輸送会社へ現地調査を依頼しましょう。
成功事例と失敗事例から学ぶ鉄骨輸送
失敗例1.急ブレーキで鋼材が前方へ移動する
鋼材は硬く滑りやすいため、急ブレーキによって束の内側が抜けるように動く可能性があります。ワイヤーやベルトで締めるだけでなく、台木、歯止め、スタンションを組み合わせ、前後・左右への移動を防ぎます。
また、急制動を避けられるよう十分な車間距離を確保し、安全運転を徹底します。
失敗例2.通行条件の確認不足で輸送が止まる
特殊車両に該当するにもかかわらず、通行確認・通行許可を受けていない、または回答・許可を受けた経路や条件から外れて走行すると、取締りや行政指導の対象となる可能性があります。
輸送の中断は建設現場の工程にも影響します。積載物と車両が決まった段階で、必要な手続きを確認することが重要です。
成功例1.運行管理システムで荷待ち時間を削減する
GPSや運行管理システムで車両の位置を可視化し、現場の受け入れ時間に合わせて到着を調整します。運行データを蓄積すれば、待機時間が発生しやすい現場や時間帯を分析し、配車計画の改善につなげられます。
成功例2.置きバンと中継拠点を活用する
あらかじめトレーラーへ荷物を積み、トラクター到着後すぐに出発できる体制を整えると、ドライバーの拘束時間を減らせます。現場近くのヤードを活用し、納品時間に合わせて横持ちする方法も有効です。
成功例3.プロドライバーを育成する
鋼材輸送に必要な固縛方法、車両特性、納品先ルール、異常時の連絡基準を教育します。安全で丁寧な運転と確実な作業は、事故防止だけでなく、荷主や納品先からの信頼獲得にもつながります。
これからの鋼材・鉄骨輸送で重要になること
発荷主・輸送会社・着荷主の連携
荷待ち時間の削減や無理のない納期設定は、運送会社だけでは実現できません。積込地、輸送会社、納品先が、予約時間、荷役条件、必要書類、異常時の連絡方法を共有することが不可欠です。
デジタル技術によるリアルタイム管理
配車、動態、待機時間、車両稼働率をデータ化し、改善に活用します。現場到着の予測精度が上がれば、クレーンや作業員の待機を減らし、車両の回転率も高められます。
安全装備と教育の継続
固縛資材や車両設備を整えるだけでなく、鋼材の形状ごとの積付け方法、急制動を避ける運転、増し締め、現場ルールを繰り返し教育します。ハードと人の両面から安全を高めることが、継続的な事業運営につながります。
鉄骨輸送に関するよくある質問
鉄骨輸送にはどの車両を使用しますか
鉄骨の長さ、重量、形状、納品先の道路条件によって異なります。一般的には平ボディトラック、10t平車、低床トレーラー、ポールトレーラー、ユニック車などを使用します。
長い鉄骨でも運ぶことはできますか
ポールトレーラーや伸縮式トレーラーなどを使用することで対応できる場合があります。ただし、特殊車両通行制度、制限外積載許可、誘導車、搬入経路の確認が必要になることがあります。
鉄骨輸送の料金は何で決まりますか
車両の種類と台数、輸送距離、積載物の重量・寸法、高速道路料金、通行手続き、誘導車、荷役作業、待機時間、現地調査の有無などで決まります。
急ぎの鉄骨輸送にも対応できますか
必要な車両が確保でき、法令上の手続きが不要または完了していれば対応できる可能性があります。長尺物や重量物は事前確認が多いため、寸法、重量、積込地、納品先、希望日時を早めに伝えてください。
まとめ|鉄骨輸送は車両・固縛・ルート・現場連携が重要
鉄骨輸送では、積載物の長さ・幅・高さ・重量を把握し、平ボディトラック、10t車、トレーラー、ユニック車などから最適な車両を選ぶ必要があります。
安全な運搬には、バタ角、スタンション、ワイヤー、チェーン、当て物などを使用した確実な固縛が欠かせません。さらに、特殊車両通行制度への対応、搬入ルートの調査、クレーン作業との時間調整まで含めて計画することが重要です。
鉄骨や鋼材の輸送を依頼する際は、価格だけで判断せず、輸送実績、保有車両、安全教育、許認可、保険、現地調査への対応を確認しましょう。条件整理の段階から相談できる輸送会社を選ぶことで、荷崩れや遅延のリスクを減らし、建設現場へ安全かつ確実に鉄骨を届けられます。